- 「この土地、本当に売れるのだろうか」という疑問から
- 「売れない土地」と呼ばれる物件の主な特徴
- 買取業者とはどのような存在か——仲介との基本的な違い
「この土地、本当に売れるのだろうか」という疑問から

相続で引き継いだ山間部の土地、長年放置してきた郊外の更地、形が不整形で使い道が見つからない農地——こうした土地を抱えて「どうすればいいのか」と悩む方は少なくありません。通常の不動産会社に問い合わせても「なかなか買い手が見つかりにくい」と言われ、途方に暮れた経験をお持ちの方もいるでしょう。
そこで浮かび上がるのが「買取業者に売る」という選択肢です。しかし、買取業者とはどういう存在なのか、どのような仕組みで土地を引き取るのか、費用や税金はどうなるのか——わからないことが多いと、判断のしようがありません。
この記事では、売れにくい土地の特徴、買取業者の仕組みと仲介との違い、売却にかかる費用と税金の基本、そして「どういう状況のときに買取が選択肢になりうるか」という考え方の整理をお伝えします。個別の物件や状況によって判断は大きく異なりますので、ここでの情報はあくまで考え方の入口としてご活用ください。
この記事でわかること:
- 「売れない土地」と呼ばれる物件の主な特徴
- 買取業者の仕組みと仲介との基本的な違い
- 土地売却にかかる費用・税金の概要
- 買取・仲介・その他の手段を比較する観点
- よくある誤解と注意点
「売れない土地」と呼ばれる物件の主な特徴
一口に「売れない土地」といっても、その理由はさまざまです。大きく分けると、立地・アクセスの問題、物理的な条件の問題、権利関係の問題の3つに整理できます。
立地・アクセスに起因するケース
最も多いのが、買い手のニーズと立地が合わないケースです。具体的には以下のような状況が該当します。
- 最寄り駅から徒歩30分超、またはバス便のみで車必須のエリア
- 人口減少が進む地方の市街化調整区域内(原則として建物の新築が制限される)
- 山林・原野など、宅地転用に多額のコストがかかる土地
- 災害リスク(土砂災害警戒区域・浸水想定区域など)が高い地域
物理的な条件に起因するケース
土地そのものの形状や状態が、活用を難しくしているケースもあります。
- 接道義務(建築基準法上、幅員4m以上の道路に2m以上接すること)を満たしていない「無道路地」や「旗竿地」
- 傾斜地・崖地で造成費用が高額になる土地
- 土壌汚染の可能性がある(過去に工場・ガソリンスタンドが立地していたなど)土地
- 極端に狭小(10〜20坪以下)または細長い不整形地
権利関係に起因するケース
法的・権利的な問題が売却の障壁になることもあります。
- 共有持分のみを所有している(他の共有者全員の同意が必要)
- 境界が未確定で隣地との争いがある
- 相続登記が未了で名義が故人のまま
- 農地転用の許可が取得できていない農地
これらの条件が重なるほど、一般的な仲介では買い手を見つけることが難しくなります。国土交通省の調査によれば、所有者不明土地や低未利用地の問題は全国的に広がっており、こうした土地の活用・処分が社会的な課題となっています。
買取業者とはどのような存在か——仲介との基本的な違い

「買取業者」とは、不動産を自社で直接購入する不動産会社を指します。仲介会社が「売主と買主の間を取り持つ」のに対し、買取業者は自らが買主となる点が根本的に異なります。
| 項目 | 仲介 | 買取業者への直接売却 |
|---|---|---|
| 買主 | 一般の個人・法人 | 不動産会社(業者) |
| 売却価格の目安 | 市場価格に近い水準 | 市場価格の70〜80%程度 |
| 売却までの期間 | 3〜6ヶ月程度が一般的 | 最短1〜2週間〜1ヶ月程度 |
| 仲介手数料 | 発生する(法定上限あり) | 原則不要 |
| 契約不適合責任 | 売主に一定期間の責任が残る | 免責となることが多い |
| 内覧・販売活動 | 必要(複数回の内覧対応が発生することも) | 不要 |
| 売れない土地への対応 | 買い手が見つからず長期化しやすい | 買取可能なケースが比較的多い |
買取業者が利益を得る仕組み
買取業者は、購入した土地を自社でリノベーションしたり、隣地とまとめて再販したり、開発事業者に転売したりすることで利益を得ます。そのため、仕入れ価格(=売主への買取価格)を市場価格より低く設定することで、再販時の利益を確保する構造になっています。
売主にとってのメリットは「傾向として・早く・手間なく売却できる」点であり、デメリットは「手取り額が仲介より低くなる傾向がある」点です。この両面を理解した上で選択することが重要です。
買取業者の種類
ひとくちに買取業者といっても、得意とする土地の種類は会社によって異なります。
- 再建築不可物件・訳あり物件専門:権利関係が複雑な土地や無道路地を得意とする
- 農地・山林専門:農地転用や森林活用のノウハウを持つ
- 開発素地専門:まとまった面積の土地を分譲地として開発する
- 共有持分専門:他の共有者がいる状態でも持分のみを購入する
土地の性質に合った業者に打診することが、買取価格の水準にも影響します。
- 売却価格は物件の立地・状態・市況で大きく変わります。
- 税制や法律は変更される可能性があります。
- 具体的な判断は不動産会社や専門家への確認が前提です。
土地売却の基本的な流れと手順
仲介・買取を問わず、土地売却にはいくつかの共通したステップがあります。以下に一般的な流れを整理します。
買取業者への直接売却の場合、ステップ5(販売活動)が省略されるため、全体のプロセスが大幅に短縮されます。一方で、仲介の場合は売出しから成約まで3〜6ヶ月程度が一般的ですが、売れにくい土地では1年以上かかることもあります。
査定の種類と特徴
査定には大きく2種類あります。
- 机上査定(簡易査定):物件情報と周辺の取引事例をもとに概算を算出。数時間〜翌日程度で結果が出る。複数社の比較に向いている
- 訪問査定(詳細査定):担当者が実際に土地を確認して算出。精度は高いが1〜2週間程度かかることもある。売却を具体的に検討する段階で活用しやすい
査定価格はあくまで「この価格で売れるだろう」という見込みであり、保証ではありません。複数社に査定を依頼し、価格の根拠や説明の丁寧さを比較することが重要です。
土地売却にかかる費用と税金の基本

土地を売却する際には、売却価格がそのまま手取り額になるわけではありません。各種費用と税金を差し引いた「手取り額」を把握することが重要です。
主な費用の内訳
| 費用項目 | 概算金額・計算式 | 備考 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 売買価格×3%+6万円+消費税(400万円超の場合の上限) | 買取の場合は原則不要。これは法定上限であり、交渉の余地がある場合もある |
| 印紙税 | 契約金額により1,000円〜60,000円程度 | 売買契約書に貼付 |
| 抵当権抹消登記費用 | 登録免許税+司法書士報酬で1〜3万円程度 | ローン残債がある場合に発生 |
| 測量費用 | 境界確定測量で40〜80万円程度(条件による) | 境界が未確定の場合に必要になることがある |
| 解体費用 | 建物の規模・構造により異なる(木造30坪で100〜150万円程度) | 古家付き土地で更地渡しを求められる場合に発生 |
仲介手数料の計算例として、売買価格が1,000万円の場合は「1,000万円×3%+6万円+消費税=39.6万円」が上限となります。2,000万円なら約72万円が上限です。
売却価格帯別の費用概算(仲介の場合)
| 売却価格 | 仲介手数料(上限・税込) | 印紙税(目安) | 合計費用の目安 |
|---|---|---|---|
| 500万円 | 約23.1万円 | 1,000円 | 約24万円〜 |
| 1,000万円 | 約39.6万円 | 5,000円 | 約41万円〜 |
| 2,000万円 | 約72.6万円 | 1万円 | 約74万円〜 |
| 3,000万円 | 約105.6万円 | 1万円 | 約107万円〜 |
※上記は仲介手数料と印紙税の合計の目安です。測量費・解体費・登記費用等は含まれていません。実際の費用は物件の状況により大きく異なります。
譲渡所得税の基本
土地の売却で利益(譲渡所得)が生じた場合、確定申告を行い税金を納める必要があります。
譲渡所得の計算式は以下のとおりです。
譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)
- 取得費:土地を購入したときの価格(購入時の諸費用を含む)。不明な場合は売却価格の5%を概算取得費として使用できる
- 譲渡費用:仲介手数料・測量費など、売却のために直接かかった費用
税率は所有期間によって異なります。
| 所有期間の区分 | 判定基準 | 税率(復興特別所得税含む) |
|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 売却した年の1月1日時点で所有期間5年以下 | 39.63%(所得税30.63%+住民税9%) |
| 長期譲渡所得 | 売却した年の1月1日時点で所有期間5年超 | 20.315%(所得税15.315%+住民税5%) |
所有期間の判定は「実際に取得した日からの年数」ではなく、「売却した年の1月1日時点での所有年数」で行う点に注意が必要です。
なお、居住用財産(マイホーム)の売却であれば、一定の条件を満たす場合に譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度があります。ただし、更地や投資用土地にはこの控除は適用されません。適用条件の詳細は税務署や税理士にご確認ください。
固定資産税と「売れない土地」の関係
土地を保有し続ける限り、固定資産税が毎年かかります。住宅が建っている土地(住宅用地)には固定資産税の軽減特例が適用されますが、更地や空き地にはこの特例が適用されません。
具体的には、住宅用地には「小規模住宅用地(200㎡以下の部分)は課税標準を6分の1に軽減」「一般住宅用地は3分の1に軽減」という特例があります。一方、更地はこれらの特例が使えないため、同じ面積でも固定資産税の負担が大きくなります。
「古家を取り壊して更地にしたら固定資産税が上がった」というケースはこの仕組みによるものです。売却を検討する際には、この点も念頭に置いておく必要があります。
状況別の考え方:2つの具体的なシナリオ
シナリオ①:相続で取得した地方の農地を処分したいケース
親から相続した地方都市郊外の農地(約200坪)を持っているが、自身は都市部に在住で農業を続ける意思もなく、固定資産税と管理の手間だけがかかっている——こうした状況は全国的に増えています。
この場合、まず確認すべきことは「農地転用の可否」です。農地を宅地等に転用するには農地法上の許可が必要であり、市街化調整区域内の農地では転用が認められないケースもあります。転用できない農地は宅地として売れないため、一般の仲介では買い手を見つけることが非常に難しくなります。
このような状況では、農地のまま農業従事者に売却する(農地法3条許可が必要)か、農地専門の買取業者に打診するか、あるいは後述する「相続土地国庫帰属制度」を検討するか、という方向性が考えられます。仲介で長期間売れ残るよりも、買取価格が低くても早期に処分して固定費の負担をなくすことを優先するという判断が合理的なケースもあります。
一方で、農地転用が可能なエリアであれば、転用後に宅地として仲介で売却した方が手取り額が大きくなる可能性があります。転用費用と売却価格の差を試算した上で判断することが重要です。
シナリオ②:接道不備の市街地の土地を処分したいケース
都市部の住宅街にある土地だが、前面道路の幅員が2m未満で建築基準法上の接道義務を満たしておらず、新たに建物を建てられない「再建築不可」の状態——このケースは、立地は良くても一般の買い手がつきにくい典型例です。
再建築不可物件は住宅ローンを組めないことが多く、一般の個人が購入しにくい事情があります。そのため、仲介での売却は長期化しやすい傾向があります。
この場合、隣地の所有者への売却(隣地と合わせることで接道条件が改善される可能性がある)や、再建築不可物件を専門とする買取業者への売却が現実的な選択肢になります。買取価格は周辺の建築可能な土地と比べて低くなりますが、長期間売れない状態が続くよりも、一定の価格で早期に処分できる可能性があります。
ただし、隣地所有者との交渉が成立すれば市場価格に近い水準で売れる可能性もあるため、まずは隣地への打診を検討する価値があります。どちらが有利かは、隣地所有者の意向や土地の規模・立地によって変わります。
買取・仲介・その他の手段を比較する観点

売れにくい土地の処分方法は、買取業者への売却と仲介だけではありません。状況によっては公的な制度の活用も選択肢になります。それぞれの特徴を整理します。
仲介での売却
一般的な不動産会社が買い手を探す方法です。市場価格に近い水準での売却が期待できますが、売れにくい土地では買い手が見つかるまでに時間がかかる可能性があります。売出し価格の設定や不動産会社の販売力が結果に大きく影響します。
- 売却価格:市場価格に近い水準を期待できる
- 期間:3〜6ヶ月が一般的だが、売れにくい土地では1年以上かかることも
- 仲介手数料:発生する(売買価格×3%+6万円+消費税が上限)
- 向いているケース:立地・条件が比較的良く、時間的な余裕がある場合
買取業者への直接売却
不動産会社が直接購入する方法です。仲介より価格は低くなりますが、迅速な売却と手続きの簡略化が期待できます。
- 売却価格:市場価格の70〜80%程度が目安(土地の条件によりさらに低くなることもある)
- 期間:最短1〜2週間〜1ヶ月程度
- 仲介手数料:原則不要
- 向いているケース:早期売却を優先する場合、権利関係が複雑な場合、仲介で長期間売れ残っている場合
相続土地国庫帰属制度の活用
2023年4月に施行された「相続土地国庫帰属制度」は、相続または遺贈で取得した土地を国に引き取ってもらえる制度です。売却ではなく「手放す」手段として、一定の条件を満たす土地に適用できます。
主な申請要件としては、建物が建っていないこと、担保権や使用収益権が設定されていないこと、境界が明確であること、などが挙げられます。申請が承認された場合、負担金として10年分の土地管理費相当額を納付する必要があります(農地・森林等は面積に応じて算定)。
- 宅地の場合の負担金:20万円(面積によらず一律)が基本
- 農地(田・畑):面積に応じて算定(例:500㎡未満は20万円など)
- 森林:面積に応じて算定(例:1,500㎡未満は30万円など)
売却代金は得られませんが、管理の手間や固定資産税の負担から解放されるメリットがあります。ただし、すべての土地が対象になるわけではなく、申請前に法務局への事前相談が推奨されています。
隣地所有者への売却・寄付
隣地の所有者が土地を必要としている場合、直接交渉によって売却できることがあります。また、自治体や公益法人への寄付を受け付けているケースもあります(ただし受け入れ条件は厳しいことが多い)。
手段の比較表
| 手段 | 売却価格 | 期間 | 手間 | 主な向き不向き |
|---|---|---|---|---|
| 仲介 | 市場価格に近い | 3ヶ月〜1年以上 | 内覧対応等あり | 条件が良い土地、時間的余裕あり |
| 買取業者 | 市場価格の70〜80%程度 | 最短1〜2週間 | 少ない | 早期処分優先、訳あり土地 |
| 国庫帰属制度 | なし(負担金が必要) | 審査に数ヶ月〜1年程度 | 申請手続きが必要 | 相続土地、売却困難な土地 |
| 隣地への売却 | 交渉次第 | 交渉次第 | 交渉が必要 | 隣地が取得を希望している場合 |
仲介を選ぶ場合に知っておきたい媒介契約の種類
仲介で売却を進める場合、不動産会社と「媒介契約」を結ぶ必要があります。媒介契約には3種類あり、それぞれ特徴が異なります。
| 契約の種類 | 複数社への依頼 | 自己発見取引 | レインズ登録義務 | 報告義務 |
|---|---|---|---|---|
| 専属専任媒介 | 不可(1社のみ) | 不可 | 5営業日以内 | 1週間に1回以上 |
| 専任媒介 | 不可(1社のみ) | 可 | 7営業日以内 | 2週間に1回以上 |
| 一般媒介 | 可(複数社) | 可 | 任意 | 義務なし |
契約期間はいずれも最長3ヶ月(更新可)です。専任媒介・専属専任媒介は1社に集中して販売活動を任せるため、不動産会社の積極的な取り組みが期待できる面があります。一方、一般媒介は複数社が競争して買い手を探すため、より広い範囲への情報発信が期待できます。
売れにくい土地の場合、どの契約形態が適しているかは一概には言えません。不動産会社の得意分野や販売戦略を確認した上で判断することが重要です。
よくある誤解と注意点

売れない土地の処分を検討する際に、読者が陥りやすい誤解をいくつか整理します。
誤解①「買取価格が高い業者=良い業者」とは限らない
複数の買取業者に査定を依頼したとき、他社より大幅に高い価格を提示してくる業者がいることがあります。しかし、この「高い査定」が契約を取るための一時的な提示であり、後から価格を引き下げられる(いわゆる「価格交渉」「減額交渉」)ケースも存在します。
査定価格は「この価格で購入できる見込み」の提示であり、確約ではありません。価格だけでなく、価格の根拠の説明、契約条件、会社の実績や対応の丁寧さも確認することが重要です。
誤解②「売れない土地は国庫帰属制度で多くの場合引き取ってもらえる」
2023年に施行された相続土地国庫帰属制度は、すべての土地が対象になるわけではありません。建物が残っている土地、境界が未確定の土地、土壌汚染がある土地、急傾斜地など管理に過大な費用がかかると判断される土地は、申請が承認されない可能性があります。
「とりあえず申請すれば引き取ってもらえる」という理解は誤りです。事前に法務局に相談し、対象となるかどうかを確認することが不可欠です。
誤解③「更地にすれば売りやすくなる」は必ずしも正しくない
古家付きの土地を更地にすれば買い手がつきやすくなると考えがちですが、必ずしもそうとは言えません。更地にすると前述のとおり固定資産税の軽減特例が外れ、税負担が増加します。また、解体費用(木造30坪で100〜150万円程度)を負担した上で売却しても、解体費用分が価格に上乗せできるとは限りません。
買い手によっては「古家付きのまま購入して自分で解体したい」「古家を活用したい」というニーズもあります。更地化の判断は、エリアの需要動向や費用対効果を踏まえた上で行うことが重要です。
誤解④「仲介手数料は固定費用で値引きできない」
仲介手数料の「売買価格×3%+6万円+消費税」は法律で定められた上限であり、固定の金額ではありません。不動産会社との交渉によって、上限より低い手数料で合意できる場合もあります。ただし、手数料を下げることで販売活動への積極性が下がる可能性もあるため、単純に安ければ良いとも言い切れません。
どういう状況のときに買取業者が選択肢になるか
買取業者への売却が現実的な選択肢として浮かび上がりやすい状況を整理します。ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、個別の物件・状況によって判断は異なります。
買取が選択肢になりやすい状況
- 仲介で6ヶ月以上売り出しているが成約に至らない
- 相続で取得した遠方の土地で、管理の手間と費用が負担になっている
- 権利関係が複雑(共有持分、境界未確定など)で仲介では買い手がつかない
- 資金的な事情から早期に現金化する必要がある
- 契約不適合責任を負いたくない(土壌汚染等のリスクがある)
- 内覧対応や販売活動の手間を省きたい
仲介を継続・優先した方が良い可能性がある状況
- 立地・条件が比較的良く、時間的な余裕がある
- 仲介での売却価格と買取価格の差が大きく、手取り額への影響が無視できない
- 隣地所有者や特定のニーズを持つ買い手が存在する可能性がある
- 農地転用や開発許可を取得することで価値が大幅に上がる見込みがある
「手取り額の最大化」と「早期・確実な売却」はトレードオフの関係にあることが多く、どちらを優先するかは売主の状況によって変わります。また、仲介で一定期間売り出した後に買取に切り替えるという組み合わせの考え方もあります。
まとめ:考え方の整理と次のステップ

この記事で取り上げた内容を簡潔に整理します。
- 「売れない土地」には、立地・物理的条件・権利関係の問題など、さまざまな原因がある
- 買取業者は不動産を直接購入する業者であり、仲介と比べて価格は低いが迅速な売却が期待できる
- 売却価格の目安は市場価格の70〜80%程度だが、土地の条件によってさらに変動する
- 売却にかかる費用(仲介手数料・印紙税・登記費用等)と税金(譲渡所得税)を加味した手取り額の把握が重要
- 譲渡所得税の税率は所有期間5年超で20.315%、5年以下で39.63%(売却年の1月1日時点で判定)
- 相続土地国庫帰属制度など、売却以外の手段も状況によっては選択肢になる
- 買取・仲介・その他の手段はそれぞれトレードオフがあり、どれが適切かは物件・状況次第
物件や状況によって考え方は変わります。ここで整理した情報は一般的な知識の入口であり、実際の判断には個別の物件の条件・権利関係・税務上の取り扱いなどを踏まえた検討が必要です。
より具体的な比較検討の方法——たとえば複数の買取業者への打診の進め方や、仲介と買取を組み合わせた売却戦略の考え方については、別の記事で詳しく解説しています。
※本記事に記載している数値・制度の内容は執筆時点の情報に基づいています。税制・法令は改正される場合がありますので、最新情報は税務署・法務局・専門家にご確認ください。個別の物件や状況により判断は異なります。