- 相続した土地の売却で気になる税金のこと
- 相続した土地売却にかかる税金の基本知識
- 相続した土地売却時の特例と考え方
相続した土地の売却で気になる税金のこと

相続で土地を受け継いだものの、活用する予定がなく売却を検討する際に、多くの方が気になるのが税金の問題です。「どのくらい税金がかかるのか」「どんな手続きが必要なのか」といった疑問を抱える方は少なくありません。
この記事では、相続した土地の売却にかかる税金の基本的な仕組みと、考え方のポイントを整理します。ただし、相続の状況や土地の条件によって税額や適用される特例は大きく異なるため、一般的な考え方として捉えてください。
相続した土地売却にかかる税金の基本知識
主にかかる税金の種類
相続した土地を売却する際には、主に以下の税金が関わってきます。
| 税金の種類 | 課税タイミング | 概要 |
|---|---|---|
| 相続税 | 相続時 | 相続財産の総額に対して課税 |
| 譲渡所得税 | 売却時 | 売却益(譲渡所得)に対して課税 |
| 住民税 | 売却時 | 譲渡所得に対する地方税 |
| 復興特別所得税 | 売却時 | 2037年まで譲渡所得税に上乗せ |
相続税の基本的な考え方
相続税は、相続財産の総額が基礎控除額を超えた場合に課税されます。基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算されます[1]。
例えば、法定相続人が2人の場合、基礎控除額は4,200万円となり、相続財産の総額がこれを下回れば相続税はかかりません。
譲渡所得税の仕組み
土地を売却した際の利益(譲渡所得)に対しては、譲渡所得税と住民税が課税されます。譲渡所得は以下の式で計算されます。
譲渡所得 = 売却価格 - 取得費 - 譲渡費用
税率は所有期間によって異なり、相続の場合は被相続人の取得日から計算します[1]。
| 所有期間 | 所得税率 | 住民税率 | 復興特別所得税 | 合計税率 |
|---|---|---|---|---|
| 5年以下(短期譲渡) | 30% | 9% | 0.63% | 39.63% |
| 5年超(長期譲渡) | 15% | 5% | 0.315% | 20.315% |
相続した土地売却時の特例と考え方

相続税額の取得費加算特例
相続税を支払った場合、その一部を土地の取得費に加算できる特例があります[2]。これにより譲渡所得を減らし、譲渡所得税を軽減できる可能性があります。
この特例を利用する場合の考え方は以下の通りです:
- 相続税の申告期限から3年以内に売却する必要がある
- 相続税を実際に支払っていることが条件
- 加算できる金額は相続税額の一部(計算式あり)
居住用財産の特別控除
相続した土地が居住用だった場合、一定の条件を満たせば3,000万円の特別控除を受けられる可能性があります[1]。ただし、適用条件は複雑で、以下のような要件があります:
- 被相続人が一人暮らしをしていた住宅とその敷地
- 相続から3年後の年末までに売却
- 売却価格が1億円以下
- その他細かな要件
税額軽減の考え方の整理
複数の特例がある場合の考え方を整理すると:
| 特例の種類 | 適用条件 | 軽減効果 | 期限 |
|---|---|---|---|
| 取得費加算 | 相続税を支払済み | 相続税額の一部を取得費に加算 | 相続税申告期限から3年 |
| 居住用3,000万円控除 | 一定の居住用財産 | 譲渡所得から3,000万円控除 | 相続から3年後の年末まで |
売却時の手続きと費用の考え方
確定申告の必要性
土地を売却して譲渡所得が発生した場合、売却した年の翌年2月16日から3月15日までに確定申告を行う必要があります[1]。特例を適用する場合も、利益が出ていなくても申告が必要なケースがあります。
売却にかかる費用の目安
土地売却時には以下のような費用が発生し、これらは譲渡費用として譲渡所得から差し引けます[3]:
- 仲介手数料:売却価格の3%程度(上限あり)
- 測量費用:50万円〜150万円程度(土地の規模により変動)
- 登記費用:数万円〜十数万円程度
- 印紙税:売却価格に応じて数千円〜数万円
相続登記の重要性
売却前に相続登記を完了させる必要があります。2024年4月から相続登記が義務化されており、相続を知った日から3年以内に登記を行う必要があります[4]。
- 売却価格は物件の立地・状態・市況で大きく変わります。
- 税制や法律は変更される可能性があります。
- 具体的な判断は不動産会社や専門家への確認が前提です。
税金を考慮した売却タイミングの判断ポイント

- 特例適用期限との関係
- 早期売却のメリット:特例適用期限内での売却が可能、管理費用の節約
- 早期売却のデメリット:市場価格の変動リスク、急いだ売却による価格面での妥協
- 時間をかける場合のメリット:市場動向を見極めた売却、より良い条件での売却可能性
- 時間をかける場合のデメリット:特例適用期限の経過、維持管理費用の継続
当てはまるほど、売却を具体的に検討するタイミングかもしれません。
特例適用期限との関係
相続した土地の売却タイミングを考える際のポイントを整理すると:
- 早期売却のメリット:特例適用期限内での売却が可能、管理費用の節約
- 早期売却のデメリット:市場価格の変動リスク、急いだ売却による価格面での妥協
- 時間をかける場合のメリット:市場動向を見極めた売却、より良い条件での売却可能性
- 時間をかける場合のデメリット:特例適用期限の経過、維持管理費用の継続
税負担と手取り額の関係
売却を検討する際は、売却価格だけでなく実際の手取り額で判断することが重要です。手取り額は以下のように計算されます:
手取り額 = 売却価格 - 譲渡費用 - 譲渡所得税等
特例の適用により税負担が大きく変わる場合があるため、複数のシナリオで試算することが考えられます。
まとめ
相続した土地の売却にかかる税金は、相続の状況、土地の条件、売却タイミングによって大きく異なります。主な税金として相続税と譲渡所得税があり、それぞれに軽減特例が設けられています。
特に重要なポイントは以下の通りです:
- 譲渡所得税の税率は所有期間によって変わる
- 相続税額の取得費加算や居住用財産の特別控除など、条件に応じた特例がある
- 多くの特例には適用期限があるため、タイミングの検討が重要
- 売却時には確定申告が必要[1]
ただし、個別の物件や状況によって考え方は変わります。税額の計算や特例の適用可否は複雑な要素が絡むため、より具体的な検討の方法は、別の記事で詳しく解説しています。