空き家の税金が上がる仕組みとは?固定資産税6倍になるケースと売却の考え方

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の状況により最適な判断は異なります。必要に応じて公的情報や専門家へご確認ください。

この記事で分かること
  • 空き家を持ち続けると税金が上がるその仕組みを整理する
  • まず知っておきたい「住宅用地特例」の仕組み
  • 2023年改正で何が変わったか——「管理不全空き家」の新設

空き家を持ち続けると税金が上がる?その仕組みを整理する

空き家を持ち続けると税金が上がる?その仕組みを整理する

「親が残した実家をそのままにしているが、固定資産税が急に高くなると聞いた」「空き家にしておくと税金面でどんな影響があるのか知りたい」——こうした疑問を持つ方が増えています。

空き家の税負担に関する制度は、2023年の法改正によって大きく変わりました[1]。以前は「建物を残しておけば固定資産税が安くなる」という認識が広まっていましたが、現在は管理状態によっては税負担が大幅に増加するケースが生じています。

この記事では、空き家の税金が上がる仕組みの基本、具体的にどのような場合に税負担が変わるのか、そして売却を含めた対応の考え方を整理します。個別の物件や状況により判断は異なりますので、具体的な金額や手続きについては税務署・税理士・不動産の専門家にご確認ください。

  • 空き家に関わる固定資産税の軽減制度の仕組み
  • 特定空き家・管理不全空き家に指定された場合の税負担の変化
  • 売却を検討する際の費用・税金の基本的な考え方
  • よくある誤解と注意点

まず知っておきたい「住宅用地特例」の仕組み

空き家の税金問題を理解するには、固定資産税の「住宅用地特例」を知ることが出発点になります。この特例は、住宅が建っている土地の固定資産税を大幅に軽減する制度です。

住宅用地特例では、土地の固定資産税が以下のように軽減されます。

区分 対象面積 固定資産税の軽減率 都市計画税の軽減率
小規模住宅用地 200㎡以下の部分 評価額の1/6 評価額の1/3
一般住宅用地 200㎡超の部分 評価額の1/3 評価額の2/3

たとえば、評価額が1,500万円の200㎡以下の土地であれば、住宅用地特例が適用されると固定資産税の課税標準額は250万円1,500万円×1/6)になります。これが特例なしの状態になると1,500万円がそのまま課税標準額になるため、税負担は単純計算で6倍になります。

この特例は「住宅の敷地として使われている土地」に適用されるものです。建物が存在するだけで自動的に適用されてきた経緯がありますが、2023年の法改正以降は管理状態が悪い空き家については特例が外れる仕組みが導入されました[1]

2023年改正で何が変わったか——「管理不全空き家」の新設

2023年改正で何が変わったか——「管理不全空き家」の新設

2023年の空き家等対策の推進に関する特別措置法(空き家特措法)改正により、「管理不全空き家」という新しい類型が設けられました[1][1]。この改正は2023年12月に施行されています。

改正前の空き家特措法では、著しく管理が悪化した空き家のみを「特定空き家」に指定し、固定資産税の住宅用地特例を解除する仕組みがありました。しかし「特定空き家」に指定されるまでのハードルが高く、指定前の段階では税制上の対応ができないという課題がありました。

改正後は、特定空き家に至る前の段階でも、適切な管理が行われていないと認められる空き家を「管理不全空き家」として指定できるようになりました[1]。管理不全空き家に指定されると、固定資産税の住宅用地特例が解除される可能性があります。

特定空き家と管理不全空き家の違い

区分 状態の目安 自治体の対応 税制上の影響
管理不全空き家 管理が不十分で今後悪化が見込まれる状態 指導・勧告 勧告後、住宅用地特例が解除される可能性あり
特定空き家 倒壊の危険・著しい衛生上の問題・景観の著しい悪化など 指導・勧告・命令・行政代執行 勧告後、住宅用地特例が解除される

いずれの場合も、自治体から勧告を受けた後に住宅用地特例が解除される流れになります[1]。突然税金が6倍になるわけではなく、指導・勧告というプロセスを経る点は理解しておきたいところです。

全国の空き家の現状——数字で見る背景

空き家問題が社会的な課題として注目されている背景には、空き家数の増加があります。総務省の住宅・土地統計調査によると、全国の空き家数は約849万戸(2018年時点)にのぼり、空き家率は13.6%となっています。住宅全体の約7軒に1軒が空き家という状況です。

空き家が増える主な要因としては、相続した実家の活用が進まないケース、転居後に売却や賃貸に出さないまま放置されるケース、老朽化が進んで活用しにくくなったケースなどが挙げられます。こうした背景から、空き家の適切な管理や活用・売却を促す制度整備が進んでいます。

空き家の固定資産税が上がる具体的なプロセス

空き家の固定資産税が上がる具体的なプロセス

実際に固定資産税の負担が増加するまでの流れを整理します。一般的なプロセスは以下のとおりです[1]

  1. 自治体が空き家の管理状態を確認・調査する
  2. 管理が不十分と判断された場合、所有者に対して指導が行われる
  3. 指導に応じない場合、「管理不全空き家」または「特定空き家」として勧告が出される
  4. 勧告を受けた後、翌年度から住宅用地特例が解除される
  5. 土地の固定資産税が最大6倍程度まで増加する(小規模住宅用地の場合)

このプロセスには一定の時間がかかりますが、管理状態が悪化している空き家を放置し続けると、最終的に税負担が大幅に増加するリスクがあります。また、特定空き家の場合は行政代執行(自治体による強制解体)が行われ、その費用が所有者に請求されることもあります。

税負担の変化をシミュレーションで確認する

以下は、住宅用地特例が適用されている場合と解除された場合の固定資産税の比較例です(あくまで概算であり、実際の税額は自治体の評価額・税率により異なります)。

土地の評価額(目安) 特例適用時の課税標準額 特例なし時の課税標準額 固定資産税の目安(税率1.4%)
1,000万円(200㎡以下) 約167万円(1/6) 1,000万円 約2.3万円→約14万円
1,500万円(200㎡以下) 約250万円(1/6) 1,500万円 約3.5万円→約21万円
2,000万円(200㎡以下) 約333万円(1/6) 2,000万円 約4.7万円→約28万円

※上記は固定資産税のみの試算です。都市計画税が課される地域ではさらに負担が加わります。実際の税額は各自治体の評価額・税率に基づいて計算されます。

空き家を売却する場合の費用と税金の基本

税負担の増加を避けるための選択肢のひとつが売却です。ただし、売却にも費用と税金がかかります。基本的な内訳を整理しておきます。

売却にかかる主な費用

不動産を売却する際には、以下の費用が発生します。

費用項目 目安 備考
仲介手数料 売買価格×3%+6万円+消費税(上限) 400万円超の場合の法定上限。交渉の余地がある場合も
印紙税 1,000円〜60,000円程度 売買契約書に貼付。契約金額により異なる
抵当権抹消登記費用 1〜3万円程度 住宅ローンが残っている場合に必要
住宅ローン一括返済手数料 0〜33,000円程度 金融機関により異なる
ハウスクリーニング等 数万円〜(任意) 売却条件や物件状態により検討

仲介手数料の上限は「売買価格×3%6万円+消費税」です。たとえば売買価格が2,000万円の場合、上限は2,000万円×3%6万円+消費税10%72.6万円となります。ただしこれはあくまで上限であり、実際の金額は不動産会社との合意によります。

売却時の税金——譲渡所得税の基本

空き家を売却して利益(譲渡所得)が生じた場合、譲渡所得税がかかります。計算の基本は以下のとおりです。

譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)

取得費は物件の購入価格や購入時の諸費用が基本です。取得費が不明な場合は売却価格の5%を概算取得費として使用できますが、実際の取得費より低くなることが多く、税負担が重くなる可能性があります。

税率は所有期間によって異なります[1]

所有期間の区分 判定基準 税率(復興特別所得税含む)
短期譲渡所得 売却した年の1月1日時点で所有期間5年以下 39.63%(所得税30.63%+住民税9%)
長期譲渡所得 売却した年の1月1日時点で所有期間5年超 20.315%(所得税15.315%+住民税5%)

所有期間の判定は「売却した年の1月1日時点」で行います。実際に取得した日からの年数ではなく、その年の1月1日時点での年数で判定される点に注意が必要です。

空き家売却に使える3,000万円特別控除

相続した空き家を売却する場合、一定の要件を満たすと「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除」として、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度があります[1]

主な適用要件の概要は以下のとおりです(詳細は税務署または税理士にご確認ください)。

  • 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋であること(旧耐震基準)
  • 相続開始の直前まで被相続人が居住していたこと(一定の要件あり)
  • 相続から売却までの間、事業・貸付・居住の用に供されていないこと
  • 売却時に耐震基準を満たしているか、または家屋を解体して土地として売却すること
  • 売却価格が1億円以下であること
  • 売却期限:相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで

この特別控除はすべての空き家に適用されるわけではなく、条件が細かく設定されています。適用可能かどうかの判断は、多くの場合税務署または税理士にご確認ください。

売却方法の選択——仲介と買取の基本的な違い

売却方法の選択——仲介と買取の基本的な違い

空き家の売却を検討する際、「仲介」「買取」という2つの方法があります。それぞれの特徴を整理します。

項目 仲介 買取
売却価格の目安 市場価格に近い水準 市場価格の70〜80%程度
売却期間の目安 3〜6ヶ月程度(物件・条件により変動) 最短1〜4週間程度
仲介手数料 発生する(上限:売買価格×3%+6万円+消費税) 原則不要
契約不適合責任 売主が負う(免責特約の交渉は可能) 免責になることが多い
内覧対応 必要(複数回になることも) 原則不要
向いているケース できるだけ高く売りたい、時間的余裕がある 早期売却を優先したい、管理の手間を減らしたい

どちらの方法が適しているかは、売却価格と売却期間のどちらを優先するか、物件の状態、所有者の状況によって変わります。一概にどちらがよいとは言えません。

仲介の場合の媒介契約の種類

仲介で売却する場合、不動産会社と「媒介契約」を結びます。媒介契約には3種類あり、それぞれ特徴が異なります。

契約の種類 複数社への依頼 自己発見取引 レインズ登録義務 報告義務
専属専任媒介 不可 不可 5営業日以内 1週間に1回以上
専任媒介 不可 7営業日以内 2週間に1回以上
一般媒介 義務なし(任意) 義務なし

専任媒介・専属専任媒介は1社のみに依頼するため、その会社が積極的に動いてくれることへの期待がある一方、比較の機会が限られます。一般媒介は複数社に依頼できる反面、各社の動きが分散しやすい面もあります。契約期間はいずれも最長3ヶ月(更新可)です。

前提・注意
  • 売却価格は物件の立地・状態・市況で大きく変わります。
  • 税制や法律は変更される可能性があります。
  • 具体的な判断は不動産会社や専門家への確認が前提です。

空き家を解体する場合の費用と注意点

管理が困難な空き家については、解体して更地にしてから売却するという選択肢もあります。ただし、解体には費用がかかり、更地にすると住宅用地特例が適用されなくなるため、固定資産税が増加します。

解体費用の目安は、木造一戸建ての場合で1坪あたり3〜5万円程度、建物全体では100〜200万円程度が一般的な目安とされています。ただし建物の構造・規模・立地・地域の業者相場によって大きく異なります。

解体後の更地は、住宅用地特例が適用されなくなるため固定資産税が増加します。更地にすることで売却しやすくなる場合もありますが、解体費用と固定資産税の増加分を踏まえた判断が必要です。解体するかどうか、するならいつのタイミングがよいかは、物件の状態・立地・売却計画によって変わります。

具体的なケースで考える——状況別の判断の流れ

具体的なケースで考える——状況別の判断の流れ
もし:ケース1:相続した築45年の木造一戸建て(地方都市)
→ 地方都市の郊外に立地する、築45年の木造一戸建てを相続したケースを考えます
もし:ケース2:親が施設入居後に空き家になった築20年の住宅(都市部)
→ 都市部に立地する築20年の住宅で、親が介護施設に入居してから2年間空き家になっているケースを考えます
売却を検討しやすいチェック
  • ケース1:相続した築45年の木造一戸建て(地方都市)
  • 現状のまま仲介で売却:市場価格に近い価格を期待できますが、老朽化した物件は買い手が見つかりにくく、3〜6ヶ月以上かかる可能性があります。内覧対応のために遠方から足を運ぶ必要も生じます。
  • 買取を選択:2〜4週間程度で売却が完了する可能性がありますが、売却価格は市場価格の70〜80%程度になる傾向があります。遠方からの管理コスト・手間を考慮すると、価格が下がっても早期に手放すことを選ぶケースがあります。
  • 解体後に更地として売却:建物の状態が悪い場合、解体してから売却した方が買い手を見つけやすいケースもあります。ただし解体費用(100〜200万円程度が目安)が先行投資として必要になります。
  • ケース2:親が施設入居後に空き家になった築20年の住宅(都市部)

当てはまるほど、売却を具体的に検討するタイミングかもしれません。

ケース1:相続した築45年の木造一戸建て(地方都市)

地方都市の郊外に立地する、築45年の木造一戸建てを相続したケースを考えます。建物は老朽化が進んでおり、雨漏りや外壁の劣化が見られる状態です。相続人は遠方に居住しており、定期的な管理が難しい状況です。

このような状況では、いくつかの選択肢が考えられます。

  • 現状のまま仲介で売却:市場価格に近い価格を期待できますが、老朽化した物件は買い手が見つかりにくく、3〜6ヶ月以上かかる可能性があります。内覧対応のために遠方から足を運ぶ必要も生じます。
  • 買取を選択2〜4週間程度で売却が完了する可能性がありますが、売却価格は市場価格の70〜80%程度になる傾向があります。遠方からの管理コスト・手間を考慮すると、価格が下がっても早期に手放すことを選ぶケースがあります。
  • 解体後に更地として売却:建物の状態が悪い場合、解体してから売却した方が買い手を見つけやすいケースもあります。ただし解体費用(100〜200万円程度が目安)が先行投資として必要になります。

この場合、仲介か買取かの判断は「遠方からの管理コストと手間をどう評価するか」「売却価格の差額と手間のトレードオフをどう考えるか」によって変わります。一般論だけでは決めきれない部分があります。

ケース2:親が施設入居後に空き家になった築20年の住宅(都市部)

都市部に立地する築20年の住宅で、親が介護施設に入居してから2年間空き家になっているケースを考えます。建物の状態は比較的良好で、立地も駅から徒歩10分圏内です。

このような物件では、仲介での売却が現実的な選択肢になりやすい傾向があります。立地が良く建物状態も良好であれば、内覧対応を経て市場価格に近い水準での成約が期待できます。ただし、売出しから成約まで3〜6ヶ月程度かかることは想定しておく必要があります。

また、この物件が被相続人の居住用財産であり、旧耐震基準(1981年5月31日以前の建築)の条件を満たさない場合、前述の3,000万円特別控除(空き家特例)の対象外となります。その場合でも、取得費が明確であれば通常の譲渡所得税の計算を行うことになります。税制上の特例の適用可能性については、多くの場合税務署または税理士に確認することが重要です。

よくある誤解と注意点

誤解1:「建物を残しておけば税金がずっと安い」

かつては「建物を解体せずに残しておけば住宅用地特例が適用されて固定資産税が安い」という考え方が広まっていました。しかし2023年の法改正以降、管理状態が悪い空き家については「管理不全空き家」または「特定空き家」に指定され、住宅用地特例が解除される可能性があります[1]

建物を残しておくことが多くの場合しも税負担を低く抑えることにはつながりません。管理状態を維持することが前提となっています。

誤解2:「査定価格が高い会社に依頼すれば高く売れる」

複数の不動産会社に査定を依頼すると、会社によって査定価格に差が出ることがあります。査定価格が高い会社が信頼できる会社、とは多くの場合しも言えません。極端に高い査定価格は、契約を取るための「高預かり」である可能性もあります。その後、売れない期間が続いた末に値下げを求められるケースもあります。

査定価格だけでなく、価格の根拠や販売活動の方針、担当者の対応なども含めて判断することが重要です。査定価格はあくまで「この価格で売れるだろう」という予測であり、保証ではありません。

誤解3:「空き家は売れない」

築年数が古い、管理状態が悪いという理由だけで「売れない」と判断するのは早計です。立地条件・価格設定・売却方法によっては、古い物件でも買い手が見つかるケースがあります。仲介で時間をかけて売却するか、買取で早期に手放すかという選択肢の組み合わせも含めて検討することで、選択肢が広がります。

また、更地にすることで売却しやすくなるケースもあります。「売れない」と決めつける前に、複数の方法を比較検討することが重要です。

売却の大まかな流れを把握しておく

売却の大まかな流れを把握しておく
1
相場の調査:周辺の取引事例や公示地価などを参考に、おおよその価格帯を把握する
2
査定の依頼:不動産会社に査定を依頼し、価格の目安を確認する(机上査定と訪問査定がある)
3
媒介契約の締結:仲介の場合、不動産会社と媒介契約を結ぶ
4
販売活動:不動産会社が広告掲載・内覧対応などを行う
5
売買契約:買い手が見つかったら売買契約を締結する
6
決済・引渡し:代金の受け取りと物件の引渡しを行う

空き家の売却を具体的に考える前に、一般的な流れを把握しておくと判断しやすくなります。

仲介での売却は、売出しから成約まで3〜6ヶ月程度が一般的な目安ですが、物件の立地・状態・価格設定・市場動向によって大きく変動します。余裕を持ったスケジュールで考えることが重要です。

査定の2種類を理解しておく

不動産の査定には、大きく分けて2種類があります。

  • 机上査定(簡易査定):物件情報と周辺の取引事例から概算を算出する方法。数時間〜翌日程度で結果が出ることが多く、複数社の概算を手軽に比較できます。精度はやや低い傾向があります。
  • 訪問査定(詳細査定):不動産会社が実際に物件を訪問して確認し、算出する方法。精度が高く、売却を具体的に検討している段階で活用されます。結果が出るまで1〜2週間程度かかることがあります。

どちらの査定も、あくまで「この価格で売れるだろう」という見積もりです。実際の売却価格は市場の状況や買い手との交渉によって決まります。複数社の査定価格を比較する際は、価格の根拠も合わせて確認することが重要です。

費用シミュレーション——売却価格帯別の概算

空き家を仲介で売却した場合の費用概算を売却価格帯別に整理します。あくまで目安であり、実際の費用は個別の条件によって異なります。

売却価格の目安 仲介手数料の上限(税込) 印紙税の目安 費用合計の目安
500万円 約23.1万円 1,000円 約24万円+登記費用等
1,000万円 約39.6万円 5,000円 約40〜41万円+登記費用等
2,000万円 約72.6万円 10,000円 約73〜74万円+登記費用等
3,000万円 約105.6万円 10,000円 約106〜107万円+登記費用等

仲介手数料の計算式:売買価格×3%6万円+消費税10%400万円超の場合の上限)

上記に加え、抵当権抹消登記費用(1〜3万円程度)、住宅ローン一括返済手数料(0〜33,000円程度)が発生する場合があります。譲渡所得が生じた場合は別途譲渡所得税がかかります。

まとめ——空き家の税金と売却の基本的な考え方

まとめ——空き家の税金と売却の基本的な考え方

空き家の税金が上がる仕組みと売却の基本について、ここまでの内容を整理します。

  • 住宅が建つ土地には固定資産税の「住宅用地特例」が適用されており、小規模住宅用地では評価額の1/6が課税標準額になる
  • 2023年の空き家特措法改正で「管理不全空き家」という類型が新設され、管理状態が悪い空き家は住宅用地特例が解除され、固定資産税が最大6倍程度になる可能性がある[1]
  • 特例解除は突然ではなく、自治体による指導・勧告というプロセスを経る[1]
  • 売却時には仲介手数料・印紙税・登記費用などの費用と、譲渡所得税がかかる場合がある
  • 譲渡所得税の税率は所有期間5年以下で39.63%5年超で20.315%(復興特別所得税含む)
  • 相続した空き家の売却には、一定要件を満たす場合に3,000万円特別控除が使える制度がある[1]
  • 売却方法は仲介(市場価格に近い水準・3〜6ヶ月程度)と買取(市場価格の70〜80%程度・1〜4週間程度)の2種類があり、状況によって選択が変わる

物件の立地・築年数・管理状態・相続の経緯など、個別の事情によって最適な対応は異なります。一般論だけでは決めきれない部分もあります。税制上の特例の適用可能性については税務署または税理士に、売却方法の選択については不動産の専門家にそれぞれ確認することをお勧めします。

より具体的な売却の進め方や、仲介・買取の詳しい比較検討の方法は、別の記事で詳しく解説しています。

※本記事の情報は一般的な制度・仕組みの解説を目的としており、個別の物件や状況により判断は異なります。税務・法律に関する具体的な判断については、専門家にご相談ください。