- 「相続したけれど、売れない土地」に困っている方へ
- 相続した土地が売れない主な理由
- まず確認すべき:相続手続きと登記の状況
「相続したけれど、売れない土地」に困っている方へ

親や祖父母から土地を相続したものの、買い手がつかない、売却の方法がわからない、そもそも手放せるのかどうかも不明——そんな状況に直面している方は少なくありません。
相続した土地が売れない背景には、立地や形状の問題だけでなく、権利関係の複雑さ、登記の未整備、そして制度的な選択肢の少なさなど、複数の要因が絡み合っています。
この記事では、相続した土地が売れない主な理由を整理したうえで、売却以外も含めた対処の方向性と、知っておくべき制度・費用・税金の基礎知識を解説します。個別の物件や状況によって判断は異なりますが、「何から考えればよいか」の入口として参考にしてください。
なお、空き地・低未利用地の問題は全国的に広がっており、相続を機に土地の扱いに悩む方が増えています。一般的な不動産売却とは異なる論点が多いため、基本的な整理から始めることが重要です。
相続した土地が売れない主な理由
相続した土地が売れない場合、その原因はいくつかのカテゴリに分けられます。「需要の問題」「権利・手続きの問題」「物件そのものの問題」の3つに整理すると、次のステップが見えやすくなります。
需要の問題:立地・用途・市場環境
土地の売却で最も根本的な障壁になるのが、需要の問題です。どれだけ手続きを整えても、買い手が存在しない地域や用途では売却は成立しません。
- 人口減少が進む地方エリアでは、住宅用地の需要が慢性的に低下している
- 市街化調整区域に指定されている土地は、原則として建物の建築が制限されるため買い手が限られる
- 接道義務(建築基準法上、幅員4m以上の道路に2m以上接していること)を満たさない土地は、建物を建てられないため需要が極端に低い
- 形状が不整形(三角形・旗竿地など)な土地は、利用しにくいとみなされて敬遠されやすい
- 傾斜地・崖地・浸水リスクのある土地は、安全性の観点から敬遠される
これらの条件が重なるほど、一般的な仲介での売却は難しくなります。ただし「需要がゼロ」ではなく、農地転用・太陽光発電用地・資材置き場など、用途を変えることで買い手が現れるケースもあります。
権利・手続きの問題:登記・共有・境界
物件そのものの条件とは別に、権利関係や手続き上の問題が売却を阻んでいるケースも多くあります。
- 相続登記が未完了:名義が被相続人のままでは売却できない。2024年4月以降、相続登記は義務化されており、相続を知った日から3年以内に申請が必要[1]
- 共有名義:複数の相続人で共有している場合、全員の合意なしに売却できない(共有者の一人が行方不明・意思疎通困難な場合は特に難航する)
- 境界の未確定:隣地との境界が確定していない土地は、買い手が敬遠する。境界確定測量には数十万円の費用と数ヶ月の期間がかかることがある[2]
- 抵当権・仮差押えなどの権利が残っている場合は、売却前に抹消が必要
2024年4月から相続登記が義務化されたことで、放置し続けるリスクは以前より高まっています[1]。登記の状態を早めに確認することが、対処の第一歩になります。
物件そのものの問題:土壌・埋設物・農地
- 土壌汚染の可能性がある土地(工場跡地・ガソリンスタンド跡地など)は、調査費用と浄化責任の問題から買い手がつきにくい
- 地中に埋設物(旧建物の基礎・廃材など)がある場合、撤去費用が買い手の負担になるため敬遠される
- 農地は農地法の制約により、農地転用許可なしに宅地として売却できない。農業委員会の許可が必要で、時間と条件がある
- 山林・原野は用途が限定的で、管理コストが高いため流通しにくい
まず確認すべき:相続手続きと登記の状況

土地を売却する前提として、相続手続きが完了していることが必要です。手続きの状況によって、取れる行動が大きく変わります。
相続放棄という選択肢とその期限
相続した土地が負担にしかならないと判断した場合、相続放棄という選択肢があります。ただし、相続放棄には厳格な期限があります。
相続放棄の申述は、相続の開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に対して行う必要があります[2]。この期限を過ぎると原則として放棄できなくなるため、早期の判断が求められます。
ただし、相続放棄をしても「管理義務」が完全に消えるわけではない点に注意が必要です。相続放棄後も、次の相続人または相続財産清算人が管理を引き継ぐまでの間、相続財産の管理義務が残る場合があります(民法940条)。
相続登記の義務化(2024年4月〜)
2024年4月1日以降、不動産の相続登記が義務化されました[1]。相続(遺言も含む)によって不動産を取得した相続人は、相続を知った日から3年以内に登記申請を行う必要があります。正当な理由なく申請しない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。
売却を考えているかどうかにかかわらず、登記の状態を確認しておくことが重要です。登記申請は自分で行うことも可能ですが、複雑な権利関係がある場合は司法書士に依頼するのが一般的です。
固定資産税の負担も確認する
相続した土地には、毎年固定資産税が課されます。固定資産税は、土地の課税標準額(固定資産税評価額)に税率を乗じて計算されます。標準税率は1.4%ですが、市区町村によって異なる場合があります。
売れない土地であっても税負担は毎年発生し続けます。管理費用(草刈り・フェンス修繕など)も加わると、保有コストは年々積み上がります。この点を念頭に置いたうえで、売却・活用・処分の方向性を検討することが重要です。
売却以外の選択肢:活用・寄付・国庫帰属
「売れない土地」に対して取れる選択肢は、売却だけではありません。活用・寄付・国への帰属という方向性もあります。それぞれの概要と現実的な条件を整理します。
土地の活用:駐車場・太陽光・賃貸
売却が難しい土地でも、用途によっては収益を生む可能性があります。
- 月極駐車場・コインパーキング:初期投資が比較的少なく、需要があるエリアでは安定収入が見込める
- 太陽光発電用地:日当たりの良い広めの土地であれば、発電事業者への賃貸・売却の可能性がある
- 資材置き場・トランクルーム:建物を建てられない土地でも、一時利用用途として需要がある場合がある
- 農地として活用:もともと農地であれば、農業者への賃貸(農地中間管理機構を通じた貸し付けなど)という選択肢もある
ただし、市街化調整区域や接道問題のある土地では、活用の選択肢も限られます。エリアの需要と土地の条件を照らし合わせた現実的な判断が必要です。
自治体・NPOへの寄付
売却も活用も難しい土地について、自治体や公益法人への寄付を検討する方もいます。ただし、現実的には受け入れ側にも条件があります。
- 自治体が受け入れるのは、公共目的に活用できる土地に限られることが多く、需要のない土地は断られるケースが大半
- NPOや社会福祉法人への寄付も、組織の活動目的と合致しない限り受け入れは難しい
- 寄付の際には、測量費・登記費用などが発生する場合があり、数十万円規模の費用負担が生じることもある[2]
相続土地国庫帰属制度(2023年4月〜)
2023年4月27日に施行された「相続土地国庫帰属制度」は、相続によって取得した土地を一定の要件のもとで国に引き渡せる制度です[2]。
主な要件と特徴は以下の通りです[2]。
- 対象は「相続または遺贈によって取得した土地」に限られる(購入した土地は対象外)
- 申請できるのは相続人(共有の場合は全員の申請が必要)
- 建物がある土地・担保権が設定されている土地・境界が明らかでない土地などは対象外
- 土壌汚染・地中埋設物がある土地も対象外
- 審査を経て承認された場合、10年分の土地管理費相当額(負担金)を納付することで国に帰属させられる[2]
- 負担金の目安:市街地の土地で20万円程度〜(面積・地目により異なる)
この制度は「タダで手放せる」わけではなく、負担金の支払いと厳格な要件審査があります。ただし、管理コストが永続的にかかる土地を抱えた相続人にとっては、現実的な選択肢の一つになりえます。
- 売却価格は物件の立地・状態・市況で大きく変わります。
- 税制や法律は変更される可能性があります。
- 具体的な判断は不動産会社や専門家への確認が前提です。
売却を試みる場合の流れと費用の目安

売れない土地であっても、まずは売却を試みることが一般的なアプローチです。売却の基本的な流れと、かかる費用の目安を整理します。
売却の基本的な流れ(手順)
- 相続登記の完了(名義変更)
- 土地の状況確認(境界・埋設物・農地転用の要否など)
- 不動産会社への査定依頼(複数社へ)
- 媒介契約の締結(仲介の場合)
- 販売活動・買い手の募集
- 売買契約の締結
- 決済・所有権移転登記・引渡し
仲介での売却期間は一般的に3〜6ヶ月程度が目安ですが、需要が限られる土地では1年以上かかることも珍しくありません。物件の立地・形状・権利関係により大きく変動します。
査定の種類と注意点
不動産会社への査定には、大きく2種類があります。
| 査定の種類 | 方法 | 精度 | 所要時間 |
|---|---|---|---|
| 机上査定(簡易査定) | 物件情報・周辺取引事例から算出 | やや低い | 数時間〜翌日程度 |
| 訪問査定(詳細査定) | 現地確認のうえで算出 | 高い | 1〜2週間程度 |
査定価格は「この価格で売れるだろう」という不動産会社の見積もりであり、売却を保証するものではありません。複数社に査定を依頼し、価格の根拠を比較することが重要です。
また、極端に高い査定価格を提示してくる会社には注意が必要です。契約を獲得するために高い価格を提示し、その後に値下げを求めてくる「高預かり」と呼ばれる慣行があるためです。査定価格の根拠(周辺の取引事例・価格設定の考え方)を確認することが判断材料になります。
媒介契約の種類と特徴
仲介で売却する場合、不動産会社と媒介契約を結びます。契約の種類によって条件が異なります。
| 契約の種類 | 依頼できる会社数 | 自己発見取引 | 報告義務 | レインズ登録 |
|---|---|---|---|---|
| 専属専任媒介 | 1社のみ | 不可 | 1週間に1回以上 | 5営業日以内 |
| 専任媒介 | 1社のみ | 可 | 2週間に1回以上 | 7営業日以内 |
| 一般媒介 | 複数社可 | 可 | 義務なし | 任意 |
いずれも契約期間は最長3ヶ月(更新可)です。専任媒介・専属専任媒介は1社に集中してサポートを受けられる反面、その会社の販売力に依存します。一般媒介は複数社が競争して買い手を探せますが、各社の販売モチベーションが下がる場合もあります。どちらが適しているかは物件の特性と売主の状況によって異なります。
仲介と買取の違い
売却方法には「仲介」と「買取」の2つがあります。売れにくい土地では、買取の検討も現実的な選択肢になります。
| 項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 売却価格 | 市場価格に近い水準を期待できる | 市場価格の70〜80%程度が目安 |
| 売却期間 | 3〜6ヶ月程度(物件による) | 最短1〜4週間程度 |
| 仲介手数料 | 発生する | 原則不要 |
| 契約不適合責任 | 売主が原則負担 | 免責になることが多い |
| 向いているケース | 時間的余裕がある・価格を重視 | 早期売却・手続き簡略化を重視 |
需要が限られる土地では、仲介で長期間売れないまま費用だけがかかり続けるリスクもあります。買取価格が低くても、固定資産税・管理費の累積コストと比較したうえで判断することが重要です。
売却にかかる主な費用の目安
土地を売却する際には、以下の費用が発生します。
| 費用項目 | 目安・計算式 | 備考 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 売買価格×3%+6万円+消費税(上限) | 400万円超の場合の速算式。これが法定上限 |
| 印紙税 | 1,000円〜60,000円程度 | 売買契約書の契約金額により異なる |
| 登記費用(抵当権抹消等) | 1〜3万円程度 | 司法書士報酬含む。状況により変動 |
| 境界確定測量費用 | 30〜80万円程度 | 未確定の場合に必要。土地の規模・状況による[2] |
| 解体・撤去費用 | 状況により大きく異なる | 廃屋・埋設物がある場合に発生 |
仲介手数料の「売買価格×3%+6万円+消費税」はあくまで法定上限であり、実際の金額は売買価格により異なります。また、これは交渉によって下がる場合もあります。
売却価格帯別の仲介手数料の目安(上限)は以下の通りです。
| 売買価格 | 仲介手数料の上限(税抜) | 消費税10%込み |
|---|---|---|
| 500万円 | 21万円 | 23.1万円 |
| 1,000万円 | 36万円 | 39.6万円 |
| 2,000万円 | 66万円 | 72.6万円 |
| 3,000万円 | 96万円 | 105.6万円 |
売却時の税金:譲渡所得税の基礎知識
相続した土地を売却して利益が出た場合、譲渡所得税の申告が必要になります[3]。基本的な計算の仕組みを把握しておくことで、手取り額の見通しを立てやすくなります。
譲渡所得の計算式
譲渡所得は以下の計算式で求めます。
譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)
- 取得費:土地の購入価格(相続の場合は被相続人が取得した際の価格)。不明な場合は売却価格の5%を概算取得費として使用できる
- 譲渡費用:仲介手数料・測量費・解体費用など、売却のために直接かかった費用
税率:所有期間によって異なる
譲渡所得に対する税率は、土地の所有期間によって異なります。所有期間は「売却した年の1月1日時点」で判定します(実際の取得日からの計算ではない点に注意)。
| 区分 | 所有期間 | 税率(復興特別所得税含む) |
|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 39.63%(所得税30.63%+住民税9%) |
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 20.315%(所得税15.315%+住民税5%) |
相続した土地の場合、被相続人が取得した日から所有期間を引き継ぐことができます。長期保有の土地であれば長期譲渡所得の税率が適用される可能性が高くなります。
相続した土地に適用できる可能性がある特例
相続した土地の売却に関連して、以下のような税制上の特例が存在します。ただし、適用条件や手続きは複雑であり、個別の状況によって異なります。税務署または税理士への確認が必要です。
- 3,000万円特別控除(居住用財産の特例):売却した土地が居住用財産であった場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる。主な適用条件として、居住用財産であること・売却先が親族等の特殊関係者でないこと・前年・前々年にこの特例を受けていないことなどがある
- 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例:相続税を支払った場合、一定期間内に売却すると相続税額の一部を取得費に加算できる制度がある
- 低未利用土地等を譲渡した場合の特別控除:一定の要件を満たす低未利用土地を売却した場合、100万円の特別控除が適用できる場合がある
売却によって譲渡所得が生じた場合、翌年の確定申告が必要です[3]。申告期限(原則として翌年の2月16日〜3月15日)を確認し、必要に応じて税理士に相談することを検討してください。
具体的なシナリオで考える:状況による判断の違い

相続した土地の扱いは、土地の条件・相続人の状況・目的によって最適な判断が変わります。2つの典型的なシナリオを通じて、考え方の違いを整理します。
シナリオA:地方の農地を相続した場合
地方の中山間地域で農地(約500㎡)を相続したケースを考えます。被相続人はすでに農業をしておらず、土地は10年以上放置されています。相続人は都市部に住んでおり、農業を継ぐ意思はありません。
この状況では、まず農地法の制約を確認することが出発点になります。農地は農地転用許可なしに宅地として売却できないため、「普通の土地として売る」という方法がそもそも使えない場合があります。農業委員会への確認が必要です。
選択肢として考えられるのは以下の通りです。
- 農地のまま農業者または農地中間管理機構に売却・貸付する
- 農地転用許可を得て宅地化し、一般市場で売却する(ただし転用が認められない地域もある)
- 相続土地国庫帰属制度の利用を検討する(農地も対象だが、条件を満たす必要がある)[2]
この場合、仲介での一般的な売却よりも、農地の流通に詳しい地元の不動産会社・農業委員会への相談が先決になります。売却価格は低くなる可能性が高いですが、管理費・固定資産税の累積コストを考慮すると、早期に手放すことが合理的な場合もあります。
シナリオB:都市近郊の更地を複数の相続人で共有している場合
都市近郊(人口10万人規模の地方都市)に更地(約200㎡)を相続人3人で共有しているケースを考えます。土地は住宅地に隣接しており、接道条件も満たしています。ただし、相続人間で「売りたい」「活用したい」「しばらく保有したい」と意見が分かれています。
共有土地の売却には全員の合意が必要です。一人でも反対すれば売却は進みません。この場合、まず相続人間での協議が最優先事項になります。
合意形成が難しい場合の選択肢として、以下が考えられます。
- 共有持分の売却:自分の持分だけを第三者に売ることは法的には可能だが、買い手が限られ価格も低くなる傾向がある
- 共有物分割請求:裁判所を通じた手続きで共有状態を解消できる場合があるが、時間・費用がかかる
- 一時的な賃貸活用(駐車場など):全員の合意のもとで収益を分配しながら、売却の合意形成を待つ
この土地は条件が比較的整っているため、仲介での売却が現実的な選択肢になります。仲介の場合、売出しから成約まで3〜6ヶ月程度が一般的ですが、価格設定と相続人間の合意形成が鍵になります。全員が合意できれば、買取(1〜4週間程度で完了するが価格は市場価格の70〜80%程度)という選択肢も検討できます。
よくある誤解と注意点
相続した土地の売却・処分を検討する際に、誤った前提で動いてしまうと後から修正が難しくなることがあります。よくある誤解を整理します。
誤解1:「相続放棄すれば、土地に関わらずに済む」
相続放棄をすれば土地の所有権を引き継がずに済みますが、管理義務が即座に消えるわけではありません。相続放棄後も、次の相続人または相続財産清算人が管理を引き継ぐまでの間、相続財産の保存義務が残ります。また、相続放棄の期限(相続を知った日から3ヶ月以内)[2]を過ぎると原則として放棄できなくなります。「とりあえず放棄すれば解決」という認識は危険です。
誤解2:「売れない土地は相続土地国庫帰属制度でタダで手放せる」
相続土地国庫帰属制度は有用な制度ですが、「タダで手放せる」わけではありません[2]。承認されるには厳格な要件審査があり、建物がある・土壌汚染がある・境界が未確定といった土地は対象外です。また、承認された場合でも10年分の管理費相当額の負担金を納付する必要があります。制度の要件を事前に確認したうえで利用可能性を判断することが重要です。
誤解3:「査定価格が高い会社に頼めば高く売れる」
査定価格は「この価格で売れるだろう」という不動産会社の見積もりであり、その価格での売却を保証するものではありません。極端に高い査定価格を提示してくる会社は、契約を獲得するための「高預かり」の可能性があります。その後に値下げを求められ、結局は他社と同じ価格になるか、売れないまま時間が経過するケースもあります。査定価格とともに、根拠となる周辺取引事例や販売戦略の説明を求めることが判断の助けになります。
誤解4:「相続登記は後回しでも問題ない」
2024年4月以降、相続登記は義務化されています[1]。相続を知った日から3年以内に申請しない場合、正当な理由がなければ10万円以下の過料の対象になります。また、登記が未完了のままでは売却手続きを進められません。「いつか売るかもしれない」という段階でも、登記の状態を確認しておくことが重要です。
まとめ:相続した売れない土地との向き合い方

相続した土地が売れない場合、その背景には「需要の問題」「権利・手続きの問題」「物件そのものの問題」という複数の要因が絡んでいます。まず現状を正確に把握することが、対処の出発点になります。
この記事で整理した主なポイントは以下の通りです。
- 相続登記は義務化されており、相続を知った日から3年以内に申請が必要[1]
- 相続放棄の期限は相続を知った日から3ヶ月以内[2]。期限と管理義務の継続に注意
- 売却以外の選択肢として、活用・寄付・相続土地国庫帰属制度がある[2]
- 仲介での売却期間は3〜6ヶ月程度が目安だが、需要が限られる土地ではさらに長くなることがある
- 買取は価格が市場価格の70〜80%程度になるが、早期解決と手続き簡略化というメリットがある
- 売却で譲渡所得が生じた場合は確定申告が必要[3]。税率は所有期間によって異なり(長期20.315%・短期39.63%)、適用できる特例の確認が重要
- 固定資産税・管理費の累積コストを念頭に置いたうえで、保有コストと売却・処分コストを比較することが判断の軸になる
物件や状況によって考え方は変わります。同じ「売れない土地」でも、農地・更地・共有土地・市街化調整区域の土地では、取るべき手順も優先すべき選択肢も異なります。
より具体的な比較検討の方法は、別の記事で詳しく解説しています。土地の種類や権利関係ごとの対処法、費用シミュレーション、専門家への相談の活用方法など、一歩踏み込んだ情報を参考にしてみてください。
※本記事の情報は一般的な知識の整理を目的としており、個別の物件・権利関係・税務状況により判断は異なります。具体的な手続きや税務については、司法書士・税理士・不動産の専門家にご確認ください。