- 「古家付き土地」とは何か、売る前に整理しておきたいこと
- 「古家付き土地」とはどういう物件なのか
- 解体費用の目安と、更地にした場合の税負担の変化
「古家付き土地」とは何か、売る前に整理しておきたいこと

土地を相続したが、古い建物がそのまま残っている。長年使っていない実家を手放したいが、どう売ればいいのかわからない。こうした状況に直面したとき、「解体してから売るのか」「建物ごと売れるのか」という疑問がまず浮かぶはずです。
古家付き土地の売却は、更地の売却とも、通常の中古住宅の売却とも異なる特有の判断が求められます。建物の状態・立地・税制・費用負担など、複数の要素が絡み合うため、「とりあえず解体しよう」「建物のまま売ればいい」という単純な判断では、後から想定外の費用や手間が発生するケースがあります。
この記事では、古家付き土地を売却する際に知っておきたい基本的な考え方と、判断の分かれ目となるポイントを整理します。個別の物件や状況により判断は異なりますので、あくまで基礎知識の整理としてご活用ください。
- 「古家付き土地」という概念と売却の選択肢
- 解体費用・固定資産税・譲渡所得税の基本
- 建物ごと売る場合と更地にして売る場合の違い
- よくある誤解と注意すべきポイント
「古家付き土地」とはどういう物件なのか
不動産の売買において「古家付き土地」とは、主に土地の価値に着目して取引される物件のことを指します。建物が存在していても、その建物には市場価値がほとんどなく、買主が購入後に解体・建て替えを前提としているケースが大半です。
「中古住宅」との違いは、この「価値の重心」にあります。中古住宅は建物そのものにも価値があり、リフォームして住み続けることを想定した売買が行われます。一方、古家付き土地は「土地を買うついでに古い建物もついてくる」という位置づけです。
古家付き土地に多い物件の特徴
- 築30年以上で、建物の耐用年数が残り少ない、または既に超過している
- 長期間空き家になっており、建物の維持管理が行われていない
- 相続によって取得した実家や別荘など
- 建物の構造上、リフォームより建て替えの方が現実的と判断される
法令上の定義はありませんが、不動産取引の実務では「古家付き土地」として売り出される物件は上記の特徴を持つことが多く、売却価格の算定も土地の評価を中心に行われます。
売却の選択肢は大きく3つ
古家付き土地を売却する場合、一般的に以下の3つの方向性から検討することになります。
- 建物をそのまま残して「古家付き土地」として売却する:解体費用をかけずに売り出せるが、買主の層が限られる場合がある
- 建物を解体して更地にしてから売却する:買主が見つかりやすい反面、解体費用と固定資産税の変化に注意が必要
- 不動産会社に買取を依頼する:早期売却を優先したい場合の選択肢。市場価格より低い水準になることが多い
どの方法が合理的かは、土地の立地・建物の状態・売主の事情(費用負担の余力、売却の急ぎ具合など)によって大きく変わります。以降では、それぞれの特徴と判断のポイントを整理していきます。
解体費用の目安と、更地にした場合の税負担の変化

解体費用の目安(構造別)
建物を解体してから売却する場合、解体費用と固定資産税の変化という2つのコストを事前に把握しておくことが重要です。この2点を見落としたまま「更地にすれば売りやすいはず」と判断すると、想定より手取りが少なくなるケースがあります。
建物の解体費用は、建物の構造・規模・立地条件(重機の入りやすさ、廃材の搬出条件など)によって大きく異なります。以下は一般的な目安です。
| 構造 | 坪単価の目安 | 30坪の建物の概算 |
|---|---|---|
| 木造(W造) | 3万〜5万円程度 | 90万〜150万円程度 |
| 軽量鉄骨造(S造) | 5万〜7万円程度 | 150万〜210万円程度 |
| 重量鉄骨造・RC造 | 6万〜8万円程度 | 180万〜240万円程度 |
上記はあくまで目安であり、アスベスト含有建材が使われている場合はさらに費用が増加することがあります。また、隣地との距離が近い場合や、旗竿地のように重機が入りにくい立地では割増になることもあります。実際の費用は、解体業者に現地を見てもらったうえで見積もりを取ることが基本です。
なお、自治体によっては老朽化した建物の解体に対して補助金・助成金制度を設けているところもあります。金額や対象条件は自治体によって異なるため、物件所在地の市区町村に確認することで対象条件を把握できます。
更地にすると固定資産税が上がる理由
建物を解体して更地にすると、固定資産税が増加します。これは「住宅用地の特例」という制度と深く関係しています。
現行の制度では、住宅が建っている土地(住宅用地)には固定資産税の軽減措置が適用されています。この軽減措置は地方税法第349条の3の2および第702条の3に規定されており、具体的には以下のとおりです。
| 区分 | 固定資産税の軽減割合 | 都市計画税の軽減割合 |
|---|---|---|
| 小規模住宅用地(200㎡以下の部分) | 課税標準額が1/6 | 課税標準額が1/3 |
| 一般住宅用地(200㎡超の部分) | 課税標準額が1/3 | 課税標準額が2/3 |
※上記の規定内容は税制改正により変更される場合があります。適用条件の詳細は物件所在地の市区町村または税理士等の専門家にご確認ください。
建物を解体して更地になると、この住宅用地の特例が適用されなくなり、固定資産税が大幅に増加します。一般的に「最大で従前の6倍程度」になることがあると言われており、売却までの期間が長引くほど税負担の累積も大きくなります。
「解体さえすれば早く売れる」と考えていても、売却に数ヶ月以上かかる場合は固定資産税の増加分も計算に入れておく必要があります。
- 売却価格は物件の立地・状態・市況で大きく変わります。
- 税制や法律は変更される可能性があります。
- 具体的な判断は不動産会社や専門家への確認が前提です。
売却の流れと手順を把握する
古家付き土地を仲介で売却する場合の一般的な流れは以下のとおりです。売り出しから成約まで3〜6ヶ月程度が目安ですが、物件の立地・状態・価格設定・市場動向によって大きく前後することがあります。
古家付き土地の場合、売買契約の前後に解体の時期や費用負担の取り決めが必要になるケースがあります。「売主が解体してから引き渡す」のか「解体条件付きで契約し買主側で対応する」のかは、契約条件として明確にしておくことが重要です。
査定の種類と注意点
不動産の査定には、大きく分けて机上査定(簡易査定)と訪問査定の2種類があります。
| 査定の種類 | 方法 | 精度 | 所要時間 |
|---|---|---|---|
| 机上査定(簡易査定) | 物件情報と周辺取引事例をもとに算出 | やや低い | 数時間〜翌日程度 |
| 訪問査定(詳細査定) | 不動産会社が実際に物件を確認して算出 | 比較的高い | 1〜2週間程度 |
査定価格は「この価格帯で売れる可能性がある」という不動産会社の見積もりであり、その価格での売却を保証するものではありません。複数社に査定を依頼して価格の根拠を比較することが重要です。
また、査定価格が极端に高い場合は注意が必要です。契約を獲得するために意図的に高い価格を提示し、その後値下げを促すという「高預かり」と呼ばれる慣行が存在するためです。価格の根拠(どのような取引事例を参考にしているか、売出価格と成約価格の乖離率はどの程度か)を確認することが判断の助けになります。
媒介契約の種類と、古家付き土地における選び方の考え方

不動産会社と結ぶ媒介契約には3種類あり、それぞれの特徴とトレードオフを理解しておくことが、売却活動を進めるうえでの基礎となります。
| 契約の種類 | 複数社への依頼 | 自己発見取引 | レインズ登録義務 | 報告義務 |
|---|---|---|---|---|
| 専属専任媒介 | 不可 | 不可 | 5営業日以内 | 週1回以上 |
| 専任媒介 | 不可 | 可 | 7営業日以内 | 2週間に1回以上 |
| 一般媒介 | 可 | 可 | 義務なし(任意) | 義務なし |
専属専任・専任媒介は1社への集中依頼となるため、担当者が積極的に動くインセンティブが生まれやすい側面があります。一方、一般媒介は複数社が競争的に買主を探す形になりますが、各社の活動状況の把握が難しくなることもあります。
古家付き土地の場合、買主候補の多くは投資家・建設業者・不動産買取業者など特定のネットワークを持つ層になることがあります。そのため、「どの不動産会社がそうしたネットワークを持っているか」という視点も媒介契約先を検討する際の参考になります。いずれの契約が適しているかは、物件の特性や売主の状況によって異なります。
売却にかかる費用の内訳と概算
古家付き土地を仲介で売却する場合、売却価格がそのまま手取りになるわけではありません。主な費用項目を事前に把握しておくことが重要です。
主な費用項目
- 仲介手数料:売買価格×3%+6万円+消費税(400万円超の場合の法定上限)
- 印紙税:売買契約書に貼付。契約金額に応じて1,000円〜60,000円程度(軽減税率の適用期間に注意)
- 登記費用:抵当権抹消登記等。司法書士報酬を含め1〜3万円程度
- 住宅ローン一括返済手数料:残債がある場合。金融機関により0〜33,000円程度
- 解体費用:建物を解体して売却する場合(前述の構造別費用参照)
- 測量費用:境界が未確定の場合に必要なことがある。10万〜50万円程度
売却価格帯別の仲介手数料の概算
| 売却価格(税込) | 仲介手数料の上限(税込) |
|---|---|
| 1,000万円 | 39.6万円 |
| 2,000万円 | 72.6万円 |
| 3,000万円 | 105.6万円 |
| 5,000万円 | 171.6万円 |
仲介手数料は法令で定められた上限であり、交渉により下がる場合もあります。ただし、手数料を下げることで販売活動への力の入れ具合に影響が出る可能性もあるため、単純に「安い方が良い」とは言い切れません。
また、買取の場合は原則として仲介手数料が発生しません。ただし、売却価格は市場価格の70〜80%程度になる傾向があるため、手数料の有無だけで比較するのではなく、手取り額全体で判断することが重要です。
- 売却価格は物件の立地・状態・市況で大きく変わります。
- 税制や法律は変更される可能性があります。
- 具体的な判断は不動産会社や専門家への確認が前提です。
譲渡所得税の基本的な考え方

古家付き土地を売却して利益が出た場合、譲渡所得税が発生する可能性があります。基本的な仕組みを把握しておきましょう。
譲渡所得の計算式
譲渡所得は以下の計算式で求めます。
譲渡所得 = 売却価格 −(取得費 + 譲渡費用)
- 取得費:土地・建物の購入価格(建物は減価償却後の価額)+購入時の諸費用
- 譲渡費用:仲介手数料・解体費用・測量費用など、売却のために要した費用
相続で取得した土地の場合、取得費は被相続人(亡くなった方)が購入した際の価格を引き継ぎます。取得費が不明な場合は、売却価格の5%を取得費とみなす概算取得費を使うことができます。
税率(復興特別所得税含む)
所有期間によって税率が異なります。所有期間は「売却した年の1月1日時点」で判定する点に注意が必要です。
| 区分 | 所有期間 | 税率(所得税+住民税) |
|---|---|---|
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 39.63%(所得税30.63%+住民税9%) |
| 長期譲渡所得 | 5年超 | 20.315%(所得税15.315%+住民税5%) |
上記の税率については、国税庁タックスアンサー「No.3208 長期譲渡所得の税額の計算」および「No.3211 短期譲渡所得の税額の計算」に詳細が記載されています。適用税率は制度改正により変更される場合があるため、売却手続きを進める際は国税庁の公式情報を参照のうえ確認してください。
3,000万円特別控除の考え方
居住用財産(マイホーム)を売却した場合、一定の条件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度があります。主な適用条件は以下のとおりです。
- 売却する不動産が居住用財産(マイホーム)であること
- 売却先が配偶者・親子など特殊関係者でないこと
- 前年・前々年にこの特例を受けていないこと
本特例の要件については、国税庁タックスアンサー「No.3302 マイホームを売ったときの特例」に詳細が記載されています。適用条件は制度改正により変更される場合があるため、売却手続きを進める際は国税庁の公式情報を参照のうえ確認してください。
古家付き土地の場合、「かつて居住していたが現在は空き家になっている」というケースも多いですが、この場合も一定の要件(家屋を取り壊してから1年以内の売買契約締結など)を満たせば適用できる場合があります。ただし、適用条件や手続きは複雑であり、個別の状況によって判断が異なるため、税務署または税理士への確認が不可欠です。
なお、不動産取得税・登録免許税については、古家付き土地の売買における計算方法や税率は土地・建物の評価額をもとに算出されます。詳細は税務署や司法書士にご確認ください。
「建物ごと売る」と「更地にして売る」の比較
古家付き土地の売却で多くの人が悩むのが、この二択です。どちらが合理的かは状況次第ですが、判断の材料となる観点を整理します。
| 観点 | 建物ごと売る(古家付き) | 更地にして売る |
|---|---|---|
| 初期費用 | 解体費用が不要 | 解体費用が発生(数十万〜数百万円) |
| 売却価格への影響 | 解体費用分を値引き要求されることもある | 買主が解体を意識しなくてよい分、交渉がシンプルになることも |
| 固定資産税 | 住宅用地特例が継続適用される(売却まで) | 更地になった翌年から税額が増加(最大で従前の6倍程度) |
| 買主の層 | 投資家・業者が中心になることも | エンドユーザー(自ら建てる人)にも訴求しやすい |
| 売却期間 | 物件・エリアによって差がある | 立地が良ければ比較的早期に成約することもある |
| 契約不適合責任 | 建物の状態について説明責任が生じる | 建物に関する責任が消滅する |
「建物を残したまま売った場合、解体費用相当額を値引きされるだけで結局同じでは」という見方もありますが、必ずしもそうとは言えません。買主が解体費用を安く調達できるルート(業者とのつながりなど)を持っている場合や、建物の状態次第でリフォーム再生を検討する買主がいる場合もあるためです。逆に、更地にしてもすぐに売れるとは限らず、その間の固定資産税増加分が累積するリスクもあります。
仲介と買取、どちらを選ぶかの基本的な考え方

古家付き土地の売却において、「仲介(不動産会社が買主を探す)」と「買取(不動産会社が直接購入する)」のどちらを選ぶかは、売主の優先事項によって変わります。
仲介の場合
- 不動産会社が市場に物件を公開し、買主を探す
- 市場価格に近い価格での売却が期待できる
- 売り出しから成約まで一般的に3〜6ヶ月程度かかる
- 内覧対応や交渉など、売主の時間・手間が発生する
- 仲介手数料が発生する
買取の場合
- 不動産会社が直接物件を購入する
- 売却価格は市場価格の70〜80%程度になることが多い
- 最短1〜2週間程度での売却完了が可能なケースもある
- 内覧対応が不要で、売主の手間が少ない
- 仲介手数料は原則発生しない
- 契約不適合責任が免責になることが多い
古家付き土地は、建物の劣化状況によっては仲介での売却が難しいと判断されるケースもあります。一方で、立地条件が良い土地であれば仲介で十分な購入希望者が集まることもあります。まず仲介を試み、一定期間内に成約しなければ買取を検討するという段階的なアプローチをとる売主もいます。
具体的なシナリオで考える:状況によって異なる判断
シナリオ1:相続した郊外の実家(築45年・木造)
郊外の住宅地にある築45年の木造2階建て(約30坪)を相続したケースを考えます。建物は長年空き家になっており、雨漏りや床の傷みが進んでいます。相続人は別の場所に居住しており、この物件を引き続き使う予定はありません。
この状況では、建物を「住宅」として売却することは現実的ではないため、古家付き土地か更地での売却が選択肢の中心になります。木造30坪の解体費用は90万〜150万円程度が目安となりますが、郊外立地で重機のアクセスが良ければ費用が抑えられる可能性もあります。
固定資産税の観点では、建物を残している間は住宅用地の特例が適用されるため、更地と比較して税負担が軽くなります。一方、建物の劣化が進んでいる場合は「特定空き家」に指定されるリスクも念頭に置く必要があります。空き家等対策の推進に関する特別措置法に基づいて特定空き家に指定されると、住宅用地の特例の適用が除外され、固定資産税が更地並みに上がる可能性があるほか、行政指導・勧告・命令・代執行(強制撤去)のプロセスが進む場合があります。
郊外立地で買主候補が限られる可能性がある場合、買取と仲介の両方の価格感を把握したうえで、売却期間の優先度と手取り額のバランスを検討することが出発点になります。
シナリオ2:都市部の古家付き土地(築35年・準工業地域)
都市部の準工業地域にある築35年の建物付き土地(約50坪)を、住み替えに伴って売却するケースを考えます。建物は居住可能な状態ですが、新築を希望する買主には解体が前提となります。
このような立地の場合、更地需要(建売業者・注文住宅を建てたいエンドユーザー)が比較的高く、仲介での成約が見込まれやすい状況です。一方で、解体費用(鉄骨造の場合は150万〜210万円程度が目安)を売主が負担するか、「古家付き」のまま価格設定に反映させるかは交渉の方針によって変わります。
また、3,000万円特別控除の適用可能性についても確認が必要です。居住用財産として住んでいた期間が明確であれば適用できる可能性がありますが、「転居後に一定期間が経過している」「売却の前に賃貸に出していた」などの事情がある場合は要件を満たさないこともあります。こうした税務上の判断は、税理士または税務署に個別確認することが不可欠です。
仲介の場合は売出しから成約まで3〜6ヶ月程度が一般的ですが、都市部の需要が高いエリアでは早期成約のケースもあれば、価格設定が高すぎると長期化するケースもあります。価格設定と売却期間のバランスを見ながら進めることが基本です。
よくある誤解と注意点

誤解1:「古家を解体すれば多くの場合早く・高く売れる」
更地にすることで買主の間口が広がる場合はありますが、「多くの場合」ではありません。解体費用を負担した分、手取りが減少する可能性があります。また、更地にすると固定資産税が増加するため、売却までの期間が長引くと税負担の累積も発生します。立地条件・市場の需要・解体費用のバランスを見たうえで判断する必要があります。
誤解2:「古家付きのままでは売れない」
古家付き土地のまま売却できないわけではありません。投資家・建売業者・土地活用を目的とした購入者など、「建物はどうせ解体する」という前提で検討する買主層は一定数存在します。特に都市部や利便性の高いエリアでは、古家付きのままでも成約に至るケースがあります。「古家付き=売れない」という先入観で解体を急ぐ前に、現状での売出し価格の可能性を確認することも選択肢のひとつです。
誤解3:「相続した土地だから税金はかからない」
相続で取得した土地を売却して利益が生じた場合、譲渡所得税の課税対象になります。相続自体には相続税がかかる場合がありますが、売却時の税金とは別の話です。また、被相続人の取得価格が低い(あるいは不明な)場合、概算取得費(売却価格の5%)で計算すると課税対象の譲渡所得が大きくなることもあります。売却前に税務上の試算を行うことが重要です。税務の判断は個別の状況によって異なるため、税理士または税務署への確認を怠らないようにしましょう。
まとめ:判断の前に整理しておきたいこと
古家付き土地の売却は、建物の状態・土地の立地・税制・費用負担・売却の優先事項など、複数の要素が絡み合う判断です。本記事で整理した主なポイントは以下のとおりです。
- 売却の選択肢は「古家付きのまま売る」「更地にして売る」「買取に出す」の3方向が基本
- 解体費用は構造・規模・立地により大きく異なり、木造30坪で90万〜150万円程度が目安
- 更地にすると固定資産税の住宅用地特例が外れ、税額が増加する
- 仲介では売出しから成約まで3〜6ヶ月程度、買取では1〜2週間程度が目安だが、価格は市場価格の70〜80%程度になることが多い
- 譲渡所得税は「売却価格−(取得費+譲渡費用)」で計算し、所有期間5年超で20.315%、5年以下で39.63%の税率が適用される
- 居住用財産の売却には3,000万円特別控除の適用可能性があるが、要件の確認は税務署・税理士に行う
- 空き家の放置は「特定空き家」指定のリスクをはらんでいる
物件や状況によって考え方は大きく変わります。「古家付きのまま売るか更地にするか」という問いの答えは、解体費用・税金・市場需要・売主の事情が絡み合うため、一般論だけでは決めきれない部分もあります。
実際の売却を進める際の具体的な比較検討の方法については、さらに詳しい記事で解説しています。
※本記事の内容は一般的な情報の整理を目的としており、個別の物件や状況により判断は異なります。税務・法務に関する具体的な判断については、税理士・司法書士・税務署等の専門家にご確認ください。